歯周病の直接的な原因は歯周病菌による感染症です。
人間の口の中には元々多くの細菌が存在し、これらの細菌の多くは病原性が低いのですが、口腔内の状態を不衛生にしたままにしておくと、次第にそのバランスが崩れて毒性の強い細菌が増えはじめます。
それらの細菌を体の免疫力で排除できれば軽度の歯肉炎ですむのですが、種々の理由により病的な細菌を排除できない場合細菌がポケットから進入し、歯と歯肉の付着を破壊し、歯周炎を進行させていくようになります。
このように身体の免疫力低下が歯周病の進行に大きくかかわります。
高齢になるにつれて、歯周病の割合が増えるのは、
20歳を過ぎると身体の活性機能は低下し身体の免疫力が低下することによって
歯周病が進行しやすくなるからです。
またカゼをひいたり、疲れたりしても免疫力が低下するので、
日頃は体の抵抗力でおさえられた状態が急激に細菌が増殖して、
歯肉が腫れ歯周病が急速に進行するのです。
このように歯周病を発症させる直接的、間接的原因は、局所的原因として、プラーク(歯垢)、歯石、歯ぎしり、くいしばり、
歯並び、不適切な修復物他、全身的な原因として年齢、遺伝的疾患、成人病他、
環境原因として、タバコ、栄養バランス、不規則な生活他が考えられます。
成人病特に糖尿病は、免疫機能、再生機能(傷の治りが悪い)の低下がみられる疾患ですし、
喫煙は、ニコチンが抹消血管を収縮させ、免疫を低下させ、歯肉や骨の再生に障害が起こります。
最近歯周病は、あなたの生活習慣にして発症する生活習慣病と考えられるようになってきました。
また逆に、歯周病が影響を与えていると思われる疾患も多く報道、推察されるようになってきました。
歯周病患者では、心臓疾患(狭心症、心筋梗塞)、脳血管疾患(脳卒中、脳梗塞)の発症リスクが3倍近くになる、
早産の危険率が数倍になるとの報道もあるようです。また胃潰瘍や肺炎などの呼吸器疾患のリスクも高まります。
このことから歯周病を治療、予防することは口腔内だけでなく、全身の健康管理治療、予防へと繋がると考えられます。